検索は簡単だ.ボックスにキーワードを入れてボタンを押すだけ.この検索さえしない人は,ウェブを半分も利用していない.どんな問題も,誰かがすでに取り組んでおり,一定の解決が図られている.検索すれば,大抵の問題は解消する.悩みも,苦しみも,知らない方法や手順も,あるいは面白いもの楽しいものも,ありがたいことにどこかの誰かが考えて作ってくれている.検索しない人は損する時代だ.
しかし,検索を自分が直接知りたいことを探すためだけに使うのも,貧困なものだ.キーワードの選び方で決まるからだ.試しに「検索キーワードの選び方」というキーワードで検索してみると,検索方法を紹介したブログがたくさん出てくる.おすすめの検索方法をまとめたブログもある.方法を検索する人は多いが,本当に知りたい方法だけ求める人もあるし,知らなかった方法を探り当てる人もある.
私がおすすめする検索方法は,自分の立場と逆の立場で探すことだ.例えば,YouTubeを見るだけの人が,YouTubeに動画を投稿する側の話を検索すれば,作る側,運営する側の裏話が聞けて,YouTubeについて視聴するだけでない側面から深く知れる.また,精神科を受診している人は,精神科医の裏事情を検索すれば,受診するだけではわからない診る側の立場を聞けるので,受診時の話し方が変わるかもしれない.
私はASD持ちで,障がい者雇用で働いているのだが,今日初めて配慮される側ではなく,配慮する側の苦労話をYouTubeで検索し,特に動画のコメント欄を見て開眼した.皆苦労していて,潰れて不幸になっている人も多くいた.そうか,配慮する側は知らないところでこんなに苦労していたんだと初めて知った.職場の上司に強い感謝がわいた.今まで気づきも考えもしなかったことを恥じた.
検索によって自分の立場と異なる立場にある人の話を調べてみるという方法を紹介した.もし自分がある立場に立った情報だけを検索しているなと気づいたら,偏った興味をもっと広げてみよう.少なくとも,反対の立場なら簡単に思いつけるだろう.色々な人の意見を視聴して初めてバランスが取れる.できるだけ多くの立場を考えられるようになったら,検索によって視野が広がった考察ができるようになっているだろうとそう思う.